NFM      New Functional Materials Laboratory (Komine Lab.)
High3 For Sustainable Development
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当研究室では,High3(ハイキューブ:研究室ロゴ)を旗印に, 高性能(High performance),高効率(High efficiency),高付加価値(High value-added)なデバイスを 実現するための新しい機能性材料の研究をしています. 材料あるいは素子中で起こる電気,磁気(スピン),熱という三つの流れに注目して,

を研究しています. あわせて,データ科学と実験技術の連携にも取り組んでいます.

NEDO, JSPS, JST, その他財団法人,企業等からの支援を頂きながら,下記の研究を進めています.

磁気転写(垂直磁気記録ハードディスクのための超高速サーボ信号記録)

ビッグデータ時代の到来により,ネットワークにつながるデバイス,センサーから得られる情報は増加の一途を辿っています. これに伴い,爆発的に増加するデータを蓄える情報記憶装置の供給が追いつかない状況が続いています. ビッグデータ時代を下支えする情報記憶であるハードディスク(HD)の生産性を飛躍的に向上させる超高速サーボ信号記録方式として,磁気転写技術の開発を行っています(図1). 磁気転写では,HDの生産を律速しているサーボ信号書き込み時間を桁違いに低減することが可能です.

Comparison of servo-track writing techniques
MethodWriting timeQuality
Self-servo writing a few DAYSGood
Magnetic printing less than 10 SECONDS Developing

しかし,従来マスター構造では,高密度ハードディスクで実用化するための十分な記録性能が確保できないことが問題でした. 我々は,超高真空マグネトロンスパッタリング装置,ナノインプリントリソグラフィなどを用いて, 実験用マスター媒体(図2)を作製し,マスター構造の改良,磁性材料の特性改善を通じて,記録性能を劇的に向上させる方策を 模索しています. 最近,ダブルマグネット型マスター媒体を開発し,従来マスター構造に比べて飛躍的に記録能力が向上することを示しました. 高品質サーボ信号を桁違いに短い時間でHDDに記録し,HDDの生産性を飛躍的に向上させることを目指しています.

Fig. 1 Schematic illustration of magnetic printing
IEEE Trans. Magn., Vol. 44, pp. 3416-3418 (2008)
Fig.2 Test piece of master medium

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スピントロニクスデバイスの開発

映像情報の高精細化に伴い,高密度・高転送レートな情報記憶素子が期待されています. また,最近ではより低消費電力に動作するコンピュータとして,脳の機能を模倣した計算システムを 構築しようとするニューロモルフィックコンピューティングが注目されています.

我々は,このような情報記憶素子として期待されている磁性ナノワイヤを用いた磁気メモリを実用化するため, 省電力・高密度・高転送レートを得るための原理,材料,構造を研究しています.

  • 補償組成近傍のフェリ磁性体を用いることによる低電流駆動(図4)
  • 情報の高密度化のための積層構造の提案(図5)
  • 電流磁場やスピン軌道トルクによる高速磁壁移動の可能性

これらの動作改善には,近年,次々と発見されている新原理(spin-orbit torque,spin Hall effect, Rashba-Edelstein effect, etc.)も期待されており,新材料,素子構造の工夫により, 磁気メモリの実用化,高性能化を目指します.

Fig.3 Schematic illustration of nanowire memory Fig.4 Drastic reduction of critical current density by utilizing ferrimagnetic nanowires
J. Appl. Phys. Vol. 109, 07D503 (2011)
Fig.5 Bi-layer nanowires with high density bit
J. Appl. Phys. Vol. 111, 07D314 (2012)
最近では,スピンの歳差運動が作る波動(スピン波)を利用して 再帰的ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)の一種であるリザーバーコンピューティングを実現しようとする試みがあります. 計算機シミュレーションは,これらの基本設計,要求特性を解析するのにも便利です.
Fig.6 Voltage-induced excitation of spin wave propagation in a YIG film

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  • MSJ young scientist insentive award(Uchiyama award), and 1st Ibaraki University President insentive award

ナノ構造,電界効果,磁場効果を利用した熱電材料の高性能化

熱を電気に直接変換する熱電素子は,未利用エネルギー回収の観点から注目されています. 最近では,IoT普及に伴うユビキタス電源としても熱電変換が期待されています. しかし,従来の熱電材料は,熱を電気に変換する効率が低く,導入コストに見合わないため, 実用化には至っていませんでした.

我々は,従来,材料の微細化や化学組成の調整のみで模索されてきた熱電材料に 新しい視点を加えて材料の高性能化を目指しています.
  • ナノ構造制御した熱電変換素子,および,ナノ構造形成方法
  • 電界効果,磁場効果による熱電材料の高性能化

最近では,熱とスピンの相互作用も注目されており,磁性材料の熱電効果(異常ネルンスト効果)の研究も進めています.


Fig.7 Anomalous Nernst effect in magnetic thin films
AIP Advances Vol. 8, 056326 (2018)

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  • "The ITS(International Thermoelectrics Society) outstanding research paper" (2015/07/01)
  • Press release

Computational physics and development of innovative functional materials

上記研究はもちろん,実験と解析が協力して研究を推進することをモットーとし, モデルハミルトニアン,第一原理計算を用いた物質の電子状態解析, ボルツマン方程式,スピン(電子,核)の動力学(ランダウ-リフシッツ-ギルバート方程式), 電気伝導・熱伝導のハイブリッド解析など幅広い物理現象の解析など, 物理のバックボーンに立脚した総合的な数値解析を通じて,研究を進めています. 他研究機関における実験研究の支援も行っており,すでに多数の依頼をお受けてしています.

最近は,GPGPUが手に入りやすくなってきており,今後,機械学習などのデータ科学と 実験の顕密な連携を図ることで,新材料,新機能性デバイスの提案につなげようとしています.

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  • The recent press release is here.

New Functional Materials Lab., Green device E & R center, College of Engineering , Ibaraki University
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